笑顔で試飲を進める渡辺さん

 【日光】酒蔵で働くことを夢見て、4月に瀬川の片山酒造(片山貴之(かたやまたかゆき)代表取締役)へ営業職として入社した渡辺有沙(わた(なべありさ)さん(24)=鹿沼市東町1丁目=が、生き生きと働いている。大学時代から日本酒の奥の深さに興味を持ち、その世界に身を投じた渡辺さん。「今は毎日が勉強で充実しています。受け入れてくれた社員の皆さんには感謝の一言です」と目を輝かせている。

 渡辺さんは、宇都宮白楊高から東京農業大の国際農業開発学科に入学。醸造学科ではなかったが酒造りに興味があり、在学中に利き酒師の資格を取得。中学、高校時代に短期留学し、大学時代には個人でバックパッカーとして海外を歩くなど多文化に触れ、海外移住も考えていたという。

 卒業後、ニュージーランドの農場で働こうと渡航。そこで親日家のニュージーランド人が経営する日本酒の酒蔵があることを知り、7カ月間酒造りを経験。海外でも造られている日本酒の価値を改めて体感した。

 「日本の酒蔵で、もっと酒の知識と技術をしっかり勉強したくなった」。昨年末から何のつてもなく県内の酒蔵に問い合わせたものの、働き口が見つからない日々。そんな状況で片山さん(50)と出会った。

 「小さな酒蔵にも若い女性の力が必要かもしれない」と採用した片山さんは「海外を歩いているせいか積極的だし機転もきく。素晴らしい人材」と仕事への熱意を評価している。

 渡辺さんは、事務作業、瓶詰、物産展への出張など幅広く仕事を覚える毎日。片山酒造には、口コミで年間2万人の外国人観光客がやってくるというが、慣れた英語と笑顔で行う試飲、商品説明などが好評だ。「辛口です後味がすっきりした柏盛が好き。秋からは酒造りも勉強したい」と意欲的だ。