来場者に作品の特徴を説明する五月女さん

 【茂木】3年前、自然に負荷をかけない暮らしを志して町内の山里に移住し工房を構えた竹細工職人五月女大介(そうとめだいすけ)さん(38)=町田=が、ざるや籠を集めた個展「春籠(はるかご)展」をふみの森もてぎで開いている。素材の竹やかずらは工房近くで採れる山の恵み。作品は、竹の廃材も燃やせる手作りのロケットストーブを煮炊きに使い薪(まき)で暖をとる、五月女さんが「大満足」という制作環境から生まれる。31日まで。

 「伍竹庵(ごちくあん)」庵主の五月女さんは那須烏山市生まれで宇都宮市育ち。東京の美術大を卒業後、仕事を幾つか経て2012年に宇都宮へ戻った。

 生き方を模索し野菜を自然栽培していたとき、仕事に欠かせないざるや籠を自然素材で自作しようと思い立ち、大田原市の竹工芸家八木沢正(やぎさわただし)さんの下で竹細工の基礎を3年間学んだ。

 16年4月に町の空き家バンクで探した町北部の山懐の古民家を改修して独立。妻のヨガインストラクター尚子(なおこ)さん(40)と里山の自然の中で暮らしている。材料の良質な真竹は工房兼自宅近くの竹林で手に入り、10~12月に100本ほど切り出す。持ち手や縁の処理に使うかずらも山で採れる。

 町で個展を開くのは初めて。竹の油分を抜かずに作る「青もの」のざるや籠など暮らしの道具はどれも形が端正で、淡い緑色とつや、優しい手触りが魅力だ。ギャラリー質蔵で約30点を展示、販売も行っている。

 五月女さんは「里山の資源で豊かに暮らす提案をしたい。作品に触れて竹のしなやかさやつやの美しさを見てほしい」と話す。来場した坂井(さかのい)、公務員羽石明美(はねいしあけみ)さん(50)は「実用性ばかりでないアート。使ってみたい」と話した。会期中、五月女さんは展示会場隣で制作の実演を毎日行っている。