古民家を改修したギャラリー兼住居の前に立つ西村さん

 【大田原】八溝山麓の両郷地区に築130年の古民家を利活用したギャラリーが誕生する。市芸術文化研究所の元研究員で兵庫県出身の彫刻家西村大喜(にしむらだいき)さん(32)=木佐美=が新たな活動拠点にしようと、自らの手で改修を進めてきた。作業はほぼ完了し、6月にオープンする予定。西村さんは「息子や弟のように親身に接してくれる地元の人たちに喜んでもらえる場所にしたい」と意欲を語る。 

 西村さんは宝塚造形芸術大(兵庫、現宝塚大)、鳴門教育大大学院(徳島)で彫刻を学んだ。2016年に市地域おこし協力隊として両郷地区へ移住。同研究所の研究員を2年務めた。

 物であふれかえる現代社会は「構築ではなく再構築の時代」だとして、新たな活動拠点に古民家を選んだ。地域住民の紹介で、周囲を田畑に囲まれた緑豊かな場所に建つ平屋を見つけ、昨年5月、改修に取りかかった。

 もともとは赤色だった瓦屋根を黒に塗り替えるなど、外観は黒で統一。内装もギャラリー兼住居として全面改修し、「Atelier Ahought」(あとりえ・あほうと)と名付けた。

 「Ahought」は、英語で思想を意味する「thought」と「阿呆(あほう)の人」を組み合わせた造語。西村さんにとって「阿呆」という言葉は人を笑顔にし、時に感動を与える前向きな意味がある。

 移住して以来、「この地で造形することの意義を常に考えてきた」という西村さん。高齢化や人口減少が進む同地区で深刻な放置竹林問題に貢献しようと、竹を活用した独自の彫刻制作に取り組んでいる。作業の音で農作物を荒らすイノシシが寄り付かないなどの“効用”もあるという。

 「作家がどんなことを考えて活動しているのか知ってもらいたい」と、ギャラリー近くにある竹林やアトリエも公開する考えだ。(問)西村さんdaikiscp@gmail.com