那須町湯本の国有林で2017年3月、登山講習会中だった大田原高の生徒7人と教諭1人の計8人が死亡し、他校を含め計42人が巻き込まれた雪崩事故で、県警は8日、業務上過失致死傷の疑いで事故当時の県高校体育連盟(高体連)登山専門部専門委員長ら男性教諭3人を書類送検した。起訴を求める「厳重処分」の意見を付けたとみられる。

 3人は、当時の同専門委員長で講習会責任者だった教諭(52)、当時の同副委員長で亡くなった8人がいた班を引率した教諭(50)、講習会責任者だった​教諭の前任の専門委員長で別の班を引率した教諭(56)。

◆解説
 尊い8人の命が奪われた那須町の雪崩事故の発生から間もなく2年。県警が8日、教諭3人を書類送検したことで、捜査は一つの節目を迎えた。

 業務上過失致死傷罪の成立には、危険の予見が可能だったか、結果を回避する義務に違反したか、といった点の立証が必要とされる。

 3人は事故当日の朝、天候などを踏まえ、登山講習会の内容を那須岳(茶臼岳)登山から雪上歩行訓練に変更。現場近くのロッジ前で打ち合わせを行い、最終決定したとされる。

 県警が雪崩事故の過失を認定するのは前例がないため、慎重に捜査を進めてきた。現場を覆った新雪、雪崩注意報、雪崩が起きやすい急斜面。県警は総合的に判断し、雪山経験のある3人に「雪崩の危険の予見は可能だった」と認定した。

 また訓練の行動範囲について、3人が雪崩の危険がない安全な場所での実施を指定せず、漫然と決めていたことを踏まえ、「雪崩を回避する義務を怠った」と判断した。

 県警は計画変更時の決定を巡る過失を重視しており、生徒を引率した別の教諭らについては「刑事責任を追及する過失はない」(捜査幹部)と明言した。

 遺族にとって書類送検は通過点にすぎない。事故が起きた原因の究明や責任の追及、再発防止の仕組み作りが、遺族の願いだ。今後の宇都宮地検の判断のほか、県教委など関係機関の取り組みが注目される。