大量の証拠と向き合いながら適切な判断を下すことが求められる裁判官の業務に、生成人工知能(AI)を活用することはできるのか―。社会にAIが広く浸透する中、最高裁が検討を加速させている。現状では利用できないが事務の効率化につながる可能性があり、法的・倫理的な論点を整理して方向性を見極めることになりそうだ。
最高裁が1月と2月に専門業者を招いて実施した研究会。中堅の民事裁判官6人が、模擬記録を使いながらAIをどのように使うことができるかを議論した。「裁判官の判断過程には使わない」という考え方を前提に、書面要約など単純作業での補助的な活用を想定しているという。
今崎幸彦長官は昨年の記者会見で、セキュリティーやデータの信頼性などの問題に触れた上で「デジタル化に伴うさまざまな手続き改革の一環として考えていく必要がある」と指摘。今年5月に民事裁判の全面IT化が実現することで、議論の下地が整った。
ただ、システム構築や予算措置など越えるべきハードルは多く、いつどのように始まるかは不透明だ。
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