向精神薬「コンサータ」の錠剤

 注意欠如多動症(ADHD)の治療に使う向精神薬「コンサータ」が国内の薬局などで数量不足に陥っていることが21日、関係者への取材で分かった。全世界向けに米国で製造されているが、各国の需要の高まりなどを受け、日本の販売元が出荷制限しているのが理由。当事者の一部は治療を継続できなくなっており、厚生労働省は昨年末以降、販売元に対して日本向けの供給量を増やすよう要請を続けている。

 出荷制限は製造トラブルの場合が多く、需要に供給が追い付かない事態は異例。厚労省や専門家によると、成分には覚醒剤と似た作用があるため、製造・供給量を増やすのは容易ではない。他国の需要も高く、不足が解消する時期は不透明だ。

 ADHDは注意力の欠如や落ち着きのなさ、衝動性が主な症状。コンサータ(商品名)の成分であるメチルフェニデートは、脳内の神経伝達物質の濃度を高めて不注意や多動性を改善する。欧米では代替薬が流通するが、日本で成人向けに承認されている中枢神経刺激薬はコンサータだけであることも不足の原因。