国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)は、国の隔離政策で深刻な差別を受けたハンセン病の元患者家族の証言を紹介する特別展を開催中だ。元患者家族らが2016年に熊本地裁に集団提訴してから今年で10年。訴訟に匿名原告として参加した70代の女性が、特別展で講演し「国の誤った政策により家族がばらばらにされた」と訴えた。
女性が2歳の時、母親がハンセン病を発症し熊本県の療養所に収容された。当時、国は官民で強制隔離を推進する「無らい県運動」を展開しており、「患者を見つけたら密告することが奨励され、家族や親戚は忌み嫌われた」と解説した。
母親は療養所で本名を捨てて園名を名乗り、高齢者の世話を強いられていた。ある時、母のきょうだいらが療養所を訪れ、母に「死んでくれ」と迫ったとも明かした。
やがて1歳上の兄もハンセン病を発症して療養所に入所した。国内で特効薬の使用が始まっていた時期で、長期収容は不要なはずだった。「家族だんらんの時間をなぜ奪ったのか。時間を返せと国や世間に言いたい」と力を込めた。
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