東京都千代田区の小学館本社

 小学館の編集者が、担当していた漫画家の男性が起こした性加害についての示談交渉に加わり、被害女性に口止めを強いる和解条件を提案していたことが27日、分かった。

 編集者が所属する小学館のマンガワン編集部は「事案の重大性に対する認識が十分であったとは言えず、不適切な対応だった」と認めた。さらに性加害を把握しながら、男性を別のペンネームで新連載の原作者に起用していたとして謝罪した。

 札幌地裁が20日、男性に1100万円の支払いを命じた損害賠償請求訴訟の判決で明らかになった。女性は長期にわたる性被害を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。

 判決によると、札幌市の通信制高校の教員でもあった男性は2020年2月、生徒だった女性を被写体とした児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の罪で罰金30万円の略式命令を受け、漫画は休載になった。

 編集者は(1)男性が示談金150万円を支払う(2)女性が連載再開の中止要求を撤回する(3)性加害について口外禁止―などを提案したが、和解は成立しなかった。