福岡地裁

 農林水産省九州農政局(熊本市)の20代女性職員が上司からセクハラやパワハラを受け退職後に自殺したのは、国が防止策を講じなかったためだとして、遺族が約1億3900万円の損害賠償を求めて提訴し、第1回口頭弁論が24日、福岡地裁(中辻雄一朗裁判長)で開かれた。国側は請求棄却を求めた。昨年4月、女性のうつ病や自殺が公務災害に認定された。

 訴状によると、女性は2018年4月に新卒で就職。上司の男性は翌月から食事に誘う私的なメールを送ったり「胸がでかいな」と言って胸を触ったりしたほか、女性が避けるようになると何度も怒鳴ったとしている。

 女性は精神疾患となり、同9月に休職した。実家から通える職場に異動したが安定的な復職に至らず、22年12月に退職。中年男性に会うと体調が悪化して再就職できず、23年8月に自殺した。

 原告側によると、上司は22年9月、女性へのハラスメントを理由に停職9カ月の懲戒処分を受けた。農政局は取材に「係争中のためお答えできない」としている。