険しい表情を浮かべながら、砂浜を駆け抜ける姿に目を奪われた。頑張れ−。レンズ越しにのぞく勇姿に、そっと声が漏れた。

 自転車オフロードのジャパンシクロクロス(JCX)シリーズ最終戦が11日に都内で行われ、宇都宮ブリッツェンCXチームの小坂光(こさかひかる)選手が2度目の年間シリーズ王者となった。今季は全日本選手権との2冠も達成。「やっと頑張りが実った」。ハードなレースの疲れも吹き飛んだような爽やかな笑顔だった。

 レース中、全国から集まった観客が小坂選手の名前を呼んで応援した。昨秋、運動部に異動するまでは自転車競技について何も知らなかった自分。だが、体力の限界を超えた”激走”に胸が熱くなり、自然と声援が口からあふれ出た。

 初めて取材したのは昨年12月。宇都宮市職員と“二足のわらじ”の小坂選手に「練習時間が取れず大変じゃないですか」と疑問をぶつけた。答えは「時間を取りたいが、市民のために仕事も手は抜けない」。地元のみならず愛されるチームの根幹が見えた気がした。