【益子】離着陸を繰り返す真っ赤なヘリコプターは、色が少ない冬の里山に不思議なほど映えた。人生初のヘリ搭乗。だが高所は苦手で心中穏やかではない。緊張でシートベルト装着に手間取った。

 パイロットの伊藤友洋(いとうともひろ)さん(37)が操縦桿(そうじゅうかん)を動かす。離陸。数十秒で道の駅や人が豆粒になった。

 2分が経過。「今、スカイツリーの高さにいますよ」と伊藤さん。昨年、大汗をかいて登った雨巻山がはるか眼下に。芳賀富士は空からでも形状が美しい。

 4分で上空1千メートルに到達。この瞬間、この地域で最も高いところにいるのは自分だろう。そんな実感を持った。妙な高揚感が恐怖心を拭い去っていた。

 雲間から山あいを照らす日差しが、光のカーテンのように見えた。鳥はいつもこんな情景を眺めているのか。ただただ、うらやましい。