先月、本県で初めて開催された23歳以下の若者が日本一に挑む「技能五輪全国大会」と、障がいのある人が技能を競う「全国アビリンピック」。本県選手を事前に取材した縁もあり、興味深く会場を見て回った。

 普段は企業で働く若者や専門校で学ぶ生徒ら選手の所属はさまざま。共通するのは地道に腕を磨いてきた精鋭ということだ。

 そんな彼らが1000分の1ミリを競ったり、何時間もかけて機械を動かしたりする姿はまるでエンターテイメントだった。プレッシャーにも負けず、制限時間の最後まで夢中で闘う彼らのまなざしは、今も強く印象に残っている。

 大会前後、世間では日本を代表するものづくり企業の不正が次々と明るみに出た。信頼される製品をつくり、企業を支えてきたのは現場といえる。今回本県に集った若者たちはまさに、それぞれの現場で仕事に誇りを持ち、企業の看板を背負っていく存在だ。組織ぐるみの不正は顧客や取引先だけでなく、次代を担う彼らへの裏切りでもある。