那須岳(茶臼岳)が雪化粧し、保温性の高いインナーやダウンジャケットを重ね着し始めた今日この頃。ふと、「“あの子”も、もう真っ白に衣替えしているのだろうか」と気になった。

 ずんぐりとした体形がかわいらしく、冬には羽が保護色の白色に生え替わる国の特別天然記念物「ニホンライチョウ」。天敵の増加などで生息数は10年前の3分の2に減少し、絶滅危惧種に指定され、環境省が保護増殖事業に力を注いでいる。

 今年6月、事業に参画する「那須どうぶつ王国」に5個の受精卵が移送された。報道陣がカメラに収められないほどの速さで卵を室内へ運ぶ佐藤哲也(さとうてつや)園長の背中に、命の重さや緊張感、熱意を感じた。

 残念ながら、ふ化した3羽のひなは生後2週間以内に全て死んでしまったが、その後新たに受け入れた卵からかえった1羽は現在も順調に成長中だ。「腹部の羽が白くなり始めていますよ」と広報担当者からの電話。防疫などの面で直接その姿を見ることはできないが、今後も生育を見守り、心を温める報道を続けていきたい。