「怒ったお顔は怖いけど、ほんとはとっても優しくて…」

 3歳になる娘が先日、こんな歌を披露してくれた。題名は「すてきなパパ」(作詞作曲・前田恵子氏)。口を大きく開けて懸命に歌う姿を眺めていると、日々の疲れが癒やされた。

 その一方で、ある思いが頭をよぎった。この瞬間にも、この世の中の片隅で娘と同じ年頃の子が虐待されているのではないか。誰にも助けを求められず、小さな体でじっと耐えているのではないか、と。

 そんな子たちの存在に気付かないふりをして、安穏とした日々を過ごすことはできない。理不尽な暴力で子どもが命を落とすことなど、あってはならないことだ。それは加害者個人だけの問題ではない。この社会を形成している私たち大人全員に、その責任の一端があるはずだ。

 今月、事件や事故を取材する県警担当に配属された。微々たる力ではあるが、報道を通して、小さな命を救うために力を尽くしたい。「すてきなパパ」になるためにも。