専用の作業スペースで研磨について説明する日下匡力コーチ=1月、埼玉県内

 練習中に日下匡力コーチ(右)に靴のブレードを磨いてもらうフィギュアスケート男子の佐藤駿=9日、イタリア・ミラノ(共同)

 小学生の頃の佐藤駿=2011年、埼玉県

 専用の作業スペースで研磨について説明する日下匡力コーチ=1月、埼玉県内  練習中に日下匡力コーチ(右)に靴のブレードを磨いてもらうフィギュアスケート男子の佐藤駿=9日、イタリア・ミラノ(共同)  小学生の頃の佐藤駿=2011年、埼玉県

 歓喜のダブル表彰台には、陰の立役者がいた。五輪フィギュアスケート男子。銀の鍵山優真と銅の佐藤駿は、8日の団体表彰式でブレード(刃)が傷つくアクシデントに見舞われた。ピンチを救ったのが、佐藤を指導する日下匡力コーチ(46)だった。

 氷と接するブレードは100分の1ミリ単位で調整するほど、繊細さが求められる。大会側の不備で「刃こぼれした感覚」だったと鍵山。年に300足近く研磨している日下コーチは、教え子だけでなく全選手の修復を請け負った。鍵山には「ストレスなく試合に挑める」と心から感謝された。

 予備のブレードや工具などを常に大会に持って行き、砥石は自腹で100万円かけて開発。「僕は変態」と表現するこだわりの原点は、2012年の全日本選手権で味わった悔しさにあった。

 教え子のブレードが出番直前で真っ二つに折れた。懸命につなぎ合わせようとしたが、現役最後の試合は無念の棄権。二度と同じ思いはさせまいと、知識と技術を蓄積してきた。

 指導者として初の舞台で表彰式に日の丸が二つ。「感無量」と豪快に笑った。(共同)