東日本大震災から15年を前に、シンポジウムに登壇した田村孝行さん(左)と妻弘美さん=11日午後、東京都千代田区の専修大

 東日本大震災の津波で家族を失った遺族らが11日、間もなく15年を迎える思いや教訓を伝えるシンポジウムを専修大(東京)で開いた。宮城県女川町の七十七銀行女川支店の行員だった長男健太さん=当時(25)=を亡くし、企業防災の重要性を訴えてきた田村孝行さん(65)は「命より大切な仕事はない。まだまだ課題はあるが、一緒に考えながら次の世代につないでいきたい」と語った。

 健太さんは上司の指示で支店屋上にとどまり、同僚らと共に津波にのまれた。妻弘美さん(63)は銀行を相手取った訴訟や、講演活動をする中で周囲に支えられ気持ちが落ち着いたとし「無我夢中で走ってきた。泣き寝入りをせず、続けて良かったかな」と振り返った。

 同県名取市閖上地区で家族4人が犠牲になった大友さおりさん(50)は「罪悪感を抱えて生きてきたが、私の人生自由に生きていこうと思えるようになった。どんな過去があっても幸せになっていい」と語りかけた。

 シンポジウムにはオンラインも含め約50人が参加した。