JRの複数路線が乗り入れる東京都北区の赤羽には、団地をテーマにしたユニークな博物館や広々とした荒川河川敷など、心引かれる場所があちこちにある。多くの人が行き交う街を巡った。
JR赤羽駅の西口を出て坂道を上ると、高層団地が立ち並ぶ一角にY字形の昭和の団地「スターハウス」が現れた。この一帯が「URまちとくらしのミュージアム」だ。
敷地内に旧赤羽台団地の4棟を保存。昭和初期や高度経済成長期に建てられた団地の住戸を復元した「ミュージアム棟」は、ガイド付きで見学できる。ダイニングキッチンなど当時、先駆けだったしつらえは今やレトロ。時間旅行をしているような気分で楽しんだ。
駅に戻り、東口すぐそばの赤羽一番街商店街へ。居酒屋がひしめく一帯は、千円で酔っぱらえる「せんべろ」の聖地。昼から営業している店も多く、人通りが絶えない。
ほど近いアーケード街「LaLaガーデン」を歩くと、演歌の歌声が聞こえてきた。宮和生さん・けい子さん夫婦が営むミュージックショップ「赤羽 美声堂」は月に10回以上、歌手が来店し、イベントを開いているという。「業界で知らない人はいないよ」と和生さんは誇らしげだ。
商店街や住宅街を抜けて荒川の土手に上がると、視界が一気に開けた。荒川と隅田川の分岐点に、大正から昭和にかけて活躍した旧岩淵水門(赤水門)が見える。300メートルほど下流にある岩淵水門(青水門)に役割は譲ったが、快晴の青空に朱色が映え、堂々たる存在感。河川敷の桜並木との共演も見てみたい。
帰途、京町家風の外観に引かれて銭湯「テルメ末広」に立ち寄った。「どこか懐かしく、ほっとしてもらえる場所に」と、3代目の徳江康幸さんが話す通り、木を生かした温かみのある内装は心地よく、つやつやの床や天井の高い浴室も気持ちが良い。常連さんに好評だという漢方薬湯に漬かると体も心もほどけた。
【ちなミニ】URのミュージアム棟の見学は無料。事前予約が必要。
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