マウスの精子の顕微鏡画像。タンパク質「CFAP91」を作る遺伝子を欠損させた精子(下)は、べん毛の形成がうまくいかず泳げなくなった

 精子が真っすぐ正常に泳ぐためには、特定のタンパク質が必要であることが分かったと、大阪大のチームが6日までに英科学誌に発表した。精子の「しっぽ」であるべん毛の形成や運動機能の調整に関わり、正常な動きを支えているという。チームの宮田治彦准教授は「男性不妊の理解と治療法の開発につなげたい」としている。

 チームによると、日本など先進国では6組に1組が不妊に悩み、その半数は男性側に原因があるとされる。さらに男性不妊の約8割に、精子の運動性低下が関与していると考えられている。

 精子が卵子にたどり着くにはべん毛の正しい働きが必要。べん毛には「ラジアルスポーク」と呼ばれるタンパク質の複合体があり、運動に関係しているとされるが、詳細は分かっていなかった。

 チームはラジアルスポークを構成するタンパク質「CFAP91」に注目。べん毛に異常がある不妊症患者ではこのタンパク質を作る遺伝子に変異があることが知られている。マウスでこの遺伝子を欠損させたところ、べん毛の形成がうまくいかず、精子が泳げなくなったことが確かめられた。