公立小中学校の給食費を無償化することを盛り込んだ県の次期重点戦略(次期プラン)が2日に正式決定され、2026年度から実施されることが事実上決まった。小学校は国の施策として全国一律で実施されるが、中学校は国の方針が固まっておらず県独自に実施する。

 既に県内では給食費の減額を独自に実施している自治体がある。住んでいる場所によって負担が大きく異なるのは見過ごせず、負担の平準化を図るのは県の役割であることは理解できる。

 国に先行する形で無償化を中学校まで拡大する背景には、次期プランの最大の課題である人口減対策がある。だが少子化対策として本当に有効な施策なのか、本県において真剣な議論が尽くされたとは言い難い。安定的な恒久財源を確保してからでも遅くなかったのではないか。

 公立中の給食費無償化に必要な費用は概算で約32億円。関係者によると、県と市町が二分の一ずつ負担する案などで調整されている。

 既に中学校まで給食費を減額している市町にとっては、独自の負担が減ることになり歓迎すべき事態だろう。

 しかし財政力の弱い未実施の自治体にとっては負担が増す。全市町がもろ手を挙げて賛成しているわけではない。財政力に応じた負担調整ルールを導入するなど、工夫が求められる。

 次期プランの最終案を議論した有識者会議の場でも、足利市の早川尚秀(はやかわなおひで)市長が「あれもこれも無償化して出生数が増えるのか」と、効果に疑問を呈していた。

 経済的な困窮世帯への対策としても効果は薄い。生活保護などの制度により、基本的に給食費は無償となっているからだ。

 25年度時点で小中学校の給食無償化を実施している都道府県は青森、和歌山の両県のみ。千葉県は第3子以降を無償化している。恒久財源の確保に難儀し、国の出方待ちが続いているのが実情だ。

 学校給食の無償化は、24年の知事選で福田富一(ふくだとみかず)知事が公約に掲げた。年頭の記者会見で公立中まで拡大の意向を示し「子育て支援につながる」と理解を求めた。

 短期的には対象世帯の負担軽減になるだろう。だが長い目で見て少子化対策になるのか、今後は費用対効果を示す責任が県に求められる。