【号外】 勝又被告に無期懲役判決 今市事件 自白の信用性認定

 2005年12月、日光市(旧今市市)大沢小1年だった吉田有希(よしだゆき)ちゃん=当時(7)=が殺害された今市事件で、殺人罪に問われた鹿沼市西沢町、無職勝又拓哉(かつまたたくや)被告(33)の裁判員裁判判決公判が8日午後3時から、宇都宮地裁で開かれた。松原里美(まつばらさとみ)裁判長は検察側の主張を認め無罪を主張していた勝又被告に対し、求刑通り無期懲役を言い渡した。

 有力な物証が乏しい中、被告が犯人かどうかが最大の争点だった。地裁は、検事に事件への関与を詳細に語った被告の取り調べの録音録画について、有罪を裏付ける重要な証拠と評価したとみられる。捜査段階の自白を信用できると判断した形だ。

 判決によると、勝又被告は05年12月2日午前4時ごろ、茨城県常陸大宮市の林道で、殺意を持ってナイフで有希ちゃんの胸部を多数回突き刺し失血死させた。

 公判で検察側は「被告と犯人を結び付ける客観的な事実が多数存在する」と主張。有希ちゃんの連れ去り現場付近で目撃された白色セダン車と同色・同型の車を被告が使っていたことや、殺害前後に現場を往復したとみられる車の通行履歴などから、「被告は犯人と推認される」と説明した。

 また有希ちゃんの胸をバタフライナイフで約10回刺し、遺体を2回投げて遺棄した、などとした被告の供述を「具体的で迫真性があり、犯人でなければ語り得ない」と指摘していた。

 一方、弁護側は被告を有罪とする証拠は自白のみで、その自白も取調官の誘導によるものだと強調。遺棄現場の血液量や遺体の体勢、死亡推定時刻、わいせつ行為の形跡がない点などを挙げ「自白が客観的状況と矛盾する。被告は犯人ではない」と主張した。被告も法廷で「有希ちゃんを殺していない」と訴えていた。

 2月29日の初公判以降、審理は県内の裁判員裁判で最多の15回。当初、3月31日に予定されていた判決期日は延期され、裁判員らが慎重に評議を重ねてきた。

【電子号外】 勝又被告に無期判決 (4月8日)

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