県は、本県の国際化を推進する「新とちぎ国際戦略」の策定を進めている。本年度までの5年間を期間とした戦略の後継で、新たに「外国人材の確保と育成」を基本戦略の柱の一つに位置付けたのが特徴だ。
本県には既に多くの外国人が暮らし、製造業や農業などさまざまな業種で働いている。貴重な外国人材を確保し、県民と外国人が互いに尊重し合い共生できる社会を目指す戦略を作り上げてほしい。
県によると、県内の外国人住民数は2024年12月末現在で5万5千人超と過去最多を更新。外国人労働者数も同10月末現在3万5千人超で、同じく過去最多を記録した。
外国人労働者を産業別に見ると、製造業が40%で最多。派遣13%、卸売・小売7%、農業などが6%で続く。身近になりつつある外国人は、本県産業の一翼を担う存在と言える。
新戦略では「外国人材」に加え、「海外の需要を取り込み強い経済の創造」「外国との関係強化」「日本人と外国人が共生する社会の実現」の四つを基本戦略とした。
その上で四つの重点プロジェクトを設けた。(1)県内企業の海外展開促進(2)県産農産物の輸出促進(3)外国人観光客の誘客強化(4)外国人材の活躍促進と共生社会の実現-で、それぞれ成果指標も設定する。
農産物の輸出と観光誘客は、これまでの取り組みの延長線上で、ターゲット国を選定するなどしてさらなる拡大を目指す。輸出など海外展開を視野に入れる事業者には商談会などで支援する計画だ。いずれも、事業者のニーズを十分把握し細やかな支援を求めたい。
成果指標は、輸出入企業数や外国人旅行者観光消費額などとしている。実現可能性を見据えた上で、野心的な目標を掲げてほしい。
外国人材の確保と育成には、受け入れ環境の整備が肝要だ。県は本年度、「外国人材受入支援センター」を設置した。相談・支援態勢の充実に注力したい。県内企業が外国人材を適切に活用することを促す「外国人材活用促進協議会」の活動をさらに活発化させることも必要だ。
国際情勢は不確実性を増している。策定後も、戦略を検討してきた有識者らによる「国際戦略協議会」で意見を聞き、施策の見直しなど柔軟に対応すべきだろう。
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