ノルディックスキー複合のW杯最多出場記録を達成して表彰され、歓声に応える渡部暁斗=10日、エストニアのオテパー(共同)

 【オテパー共同】ノルディックスキーW杯複合は10日、エストニアのオテパーで男子個人第8戦が行われ、2006年3月にW杯初出場した37歳の渡部暁斗が通算出場数を296とし、歴代単独トップに立った。節目の一戦を36位で終え「夢中になっていたら20年もたってしまった」と振り返った。

 3歳下で、長く一緒に世界を転戦している弟、善斗の言葉が兄の偉大さをよく表している。「普通に努力して、普通に強くなって、普通に世界一になった。特別な才能があるように見えないが、ずっと強い。それがすごい」

 長野・白馬高2年で06年トリノ五輪に出場し、09年世界選手権で団体金に貢献。飛躍が得意なだけで、決してトップ選手ではなかった。「飛べて走れる選手」を目指し、努力が形になったのが12年。「自分の競技人生の分岐点の一つ」というW杯初制覇を果たした。安定感と強さを兼ね備え、ここからの10季で、個人総合3位以内に8度も入り、17~18年シーズンには総合優勝に輝いた。

 今季限りでの引退を表明。「最後の最後まで夢中になったまま終われたらいいな」