松尾スズキが自身の小説をミュージカル化した「クワイエットルームにようこそ The Musical」が、1、2月に東京、京都、岡山で上演される。精神科の閉鎖病棟で繰り広げられる濃密な人間ドラマ。松尾は「重いテーマをいかにショーアップして見せられるか」と展望を語る。
フリーライターの明日香(咲妃みゆ)はストレスから睡眠薬を過剰摂取して倒れ、病院に運ばれる。目覚めると、そこは閉鎖病棟。癖の強い入院患者や看護師たちに戸惑いながら、退院を目指して自分を見つめ直す。
明日香のパートナー、鉄雄を演じる松下優也は「明るく歌って踊るのにふさわしくない状況で、突き抜けたミュージカルをやる。そのギャップがこの作品の面白さ」と分析する。
劇中にはさまざまな名作ミュージカルへのオマージュが織り込まれる一方で「感動的なメロディーに『こんなこと人前で堂々と歌っていいの?』みたいな詞がついた歌もある」と松下。ミュージカルの構造を最大限に生かして「遊ぶ」意欲作だ。
松尾は音楽と物語の一体感を特に重視したといい、せりふと歌をつなぐ演出に工夫を凝らした。「歌を使って物語を動かすのではなく、物語が自然に歌の導入になるように、作品全体を一つの音楽として完成させたい」と目標を掲げる。
一度つまずいた人が再起する難しさを描いた物語でもある。松尾は「失敗を受け入れ、時には忘れてあげる寛容さが社会には必要」と作品に込めた思いを明かした。
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