2020年に破産した弁護士法人「東京ミネルヴァ法律事務所」が預かり金を業務委託先の広告会社に流出させたとして、顧客23人が会社側に損害賠償を求めた訴訟が5日、東京地裁で和解した。顧客側の弁護団によると、会社側が賠償金約5600万円を支払う内容で、破産管財人から受けていた配当と合わせて、原告23人の被害は全額が回復することとなった。

 会社側は「リーガルビジョン」(東京都渋谷区)など3社とその代表ら。地裁は昨年12月、会社側がミネルヴァと結んだ契約は経済的合理性がなく事務所の財政を圧迫したなどとして「顧客の実損が補填されるべきだ」と和解を勧告していた。

 弁護団によると、法律事務所が取引先に支配されるケースは他にもあり、裁判所が取引先の責任を認めたのは初めて。新里宏二弁護団長は東京都内で記者会見し「被害救済ができたのは画期的。法律事務所に巣くっている他の会社にも警鐘を鳴らしたものだ」と話した。

 ミネルヴァは12年に設立され、多重債務者の過払い金を取り戻す「過払い金ビジネス」を各地で展開した。