聖路加国際病院=昨年1月、東京都中央区

 凍結した卵巣から出産する流れ

 聖路加国際病院=昨年1月、東京都中央区  凍結した卵巣から出産する流れ

 小児がんを患った20~30代の女性2人が、がん治療前に卵巣組織を凍結保存し、治療後に体内に戻す手法で出産したと聖路加国際病院などのチームが4日までに国際学術誌に発表した。抗がん剤や放射線治療で失われた卵巣の機能が回復した。

 国内で、がん患者が凍結保存した卵巣から出産した例では、卵巣を短冊状にして移植する手法での報告があったが、今回は糸でつなぎ、数珠状にして移植。血流がよくなり卵巣の機能を長期間維持できると期待される。

 同病院の平田哲也女性総合診療部長(生殖内分泌医学)は「治療と将来の妊娠を両立させる新たな希望となる手法だ。選択肢があることを知ってほしい」と話している。

 がんの女性が生殖能力を温存するには、卵子や受精卵を凍結する手法もある。

 2人は骨や筋肉などのがん「ユーイング肉腫」の患者で、10~20代の頃に腹腔鏡手術で卵巣の一部を摘出し凍結。体内に残った卵巣はがん治療により機能を失ったが、治療が一段落した後、凍結卵巣を腹膜に移植すると月経が再開した。いずれも体外受精で2025年に出産した。