鳥取県の境港に水揚げされるクロマグロ

 水産庁は、趣味やレジャーでクロマグロを釣る「遊漁」の客らを対象に、2026年4月から事前の届け出制を導入する。1月1日に受け付けを開始。高級魚のクロマグロはすしネタとして人気が高く、厳格な資源管理の対象になっている。届け出により遊漁の実態を把握し、管理の実効性を高める狙いだ。

 新制度では、釣り客は漁に出かける前までに氏名や住所、釣りの種類、船の情報をメールなどで届け出る。遊漁船の業者やプレジャーボートなどの運航者も3月20日までに、法人名や船名などを申告する必要がある。未申告が発覚した後も従わない場合は罰金や拘禁刑の対象となる。

 水産庁はクロマグロの遊漁を年間60トンまで認めている。30キロ以上の大型魚は1人毎月1匹は持ち帰りが可能で、30キロに満たない小型魚については禁止している。25年度は12月中旬までに小型魚を取るなど17件の違反に対し指示に従うよう農相名で命令を出した。

 クロマグロの資源量は10年ごろに激減した。その後は回復がみられ、24年の国際会合で大型魚の漁獲枠を1・5倍に増やした。