共産党の不破哲三前議長=2018年9月

 共産党の委員長や議長を歴任し、党の理論的支柱とされた不破哲三さん(ふわ・てつぞう、本名上田建二郎=うえだ・けんじろう)が30日に死去した。党関係者が明らかにした。95歳だった。東京都出身。

 1970年、40歳で書記局長に抜てきされた。故宮本顕治氏が議長となった82年の党大会で後任の委員長に就任。90年からは志位和夫書記局長(当時)とのコンビで党運営に当たった。2000年から議長。03年の衆院解散を機に国会活動から身を引き、党の指導に専念した。04年には約43年ぶりの綱領改定を主導し、天皇制や自衛隊の事実上容認などを盛り込んだ。06年1月に議長を退任した後も、党のシンクタンク「社会科学研究所」の所長として理論面で党を支えた。

 15年9月の安全保障関連法成立に合わせ、廃止を目指す「国民連合政府」構想をリード。19年参院選の街頭演説では「安倍政権の野望を打ち砕こう」と訴えた。24年1月の党大会で、党運営の決定権を持つ中央委員を外れて名誉役員になるまで影響力を残し続けた。