2002年9月、平壌市内の百花園迎賓館で日朝平壌宣言の署名を終え、握手する小泉純一郎首相(左)と北朝鮮の金正日総書記(共同)

 英政府が公開した、当時の小泉首相がブレア英首相と2003年7月19日に会談した内容を記す公文書のコピー(共同)

 2002年9月、平壌市内の百花園迎賓館で日朝平壌宣言の署名を終え、握手する小泉純一郎首相(左)と北朝鮮の金正日総書記(共同)  英政府が公開した、当時の小泉首相がブレア英首相と2003年7月19日に会談した内容を記す公文書のコピー(共同)

 【ロンドン共同】2002年9月の日朝首脳会談で小泉純一郎首相が、核開発疑惑が持たれていた北朝鮮の金正日総書記に対し、日本が過去に「米英との無謀な戦争に敗れた」とした上で北朝鮮も「米英には勝てない」と警告し、国際社会との協調を促していたことが30日、分かった。日本の敗戦を例に挙げながら、非核化に向けて説得を試みたとみられる。英政府が同日公開した公文書に、小泉氏が日朝会談に関して英側に説明した内容が含まれていた。

 北朝鮮問題に詳しい慶応大の礒崎敦仁教授は「注目されていた拉致問題だけでなく、核問題でも日本が主導的な役割を果たそうとしたことが分かる重要な資料だ」と評価した。

 文書には、小泉氏がブレア英首相と03年7月19日に神奈川県箱根町で会談した内容がまとめられている。文書によると、小泉氏は金氏に戦後の日本と米英との関係に触れながら、北朝鮮も米英と協力できると説明。北朝鮮の唯一の選択肢は国際社会の責任ある一員になることだと強調した。