9区で8人抜きの快走を披露し、宇都宮A総合優勝の原動力になるとともに男子の最優秀選手に輝いた宇賀地=2003年の第44回大会から

宇賀地強さん

9区で8人抜きの快走を披露し、宇都宮A総合優勝の原動力になるとともに男子の最優秀選手に輝いた宇賀地=2003年の第44回大会から 宇賀地強さん

 はっきりと記憶に残っているのは陽東中3年生で出場した2003年の第44回大会です。前年のジュニアオリンピックカップ3000メートルでワンツーフィニッシュを決めた佐藤直樹(さとうなおき)(陽南中)とともに宇都宮Aで出走し、大会新記録の3時間55分47秒で23年ぶり3度目の優勝を飾りました。

 当時のコースは日光路。佐藤は4区(3・9キロ、大沢小中学校前-森友公民館前)で区間新記録をたたき出し、改めてその強さを見せつけました。

 佐藤のゴール地点は私が走る9区(3・9キロ、森友公民館前-大沢小中学校前)のスタート地点。彼の走りを見て「自分も負けられない」とエンジンが掛かりました。おかげで私も11分11秒の区間新記録を出せました。彼と同じチームで走るレースはこの大会が最後だったので、最高の思い出を残せたことがうれしかったです。

 佐藤とは中学1年の時から友達でありライバルでした。中学3年時には県大会や関東大会、全国大会でしのぎを削り、彼に勝てれば1位になれるという感じでした。今でも電話で連絡を取ったり、時間が合えばご飯に行ったりする親友です。

 別の中学に通う選手と同じチームで一つの目標に向かって戦えることは、他の大会ではなかなか得難い経験です。郡市町駅伝は幅広い年代が集まり社会人と学生がコミュニケーションを取るので、普段の学校生活では学べない社交性などを培う場でもありました。当時は現在のように簡単に連絡を取ってつながることができなかったので、限られた機会の中で意思疎通を図ることはとても大切なことでした。

 下の世代を引っ張る立場になった今、練習や試合を通して大人としての理想像や、人との接し方などのふるまいを見てきたことがとても役立ちました。最近では縁遠い大会になってしまいましたが、今でもこの時期になると必ず思い出します。

 うがち・つよし 1987年生まれ。作新高-駒大-コニカミノルタ。2011年の全国都道府県対抗男子駅伝で本県のアンカーとして初優勝に貢献。同年のアジア選手権1万メートルで4位入賞した。164センチ、50キロ。