レアアースを巡る構図

 日米欧の先進7カ国(G7)とチリ、オーストラリアなどの資源国が来年1月中旬に米首都ワシントンで財務相による会合を開く方向で調整していることが25日、複数の政府関係者への取材で分かった。中国が独占的な地位を占めるレアアース(希土類)をはじめとする重要鉱物に関し、中国に依存しない供給網の構築を目指すことを確認する方針だ。日本は片山さつき財務相が参加を検討している。

 レアアースは電気自動車(EV)のモーターや半導体などに不可欠な重要物資。中国が生産の6割超、精錬の9割超を握るとされる。

 ただ、中国政府が輸出管理の規制など経済的威圧の手段として利用し、これまでもたびたび供給が不安定になった。安価なレアアースを提供する中国を巡っては深刻な環境汚染に加え、低賃金などの労働搾取も指摘されている。

 このためG7は、チリやオーストラリアなどの重要鉱物の産出国と協力して脱中国の体制を確立したい考えだ。1月12日の週を軸に開催を調整する会合では、レアアースの国際的なルール作りなども議論するとみられる。