危険運転致死傷罪の見直しを議論する法制審議会の部会=25日午前、法務省

 危険運転致死傷罪の見直しを議論する法制審議会(法相の諮問機関)の部会の第8回会合が25日開かれ、高速度と飲酒の適用要件に数値基準を新設する要綱案を取りまとめた。高速道路など最高時速60キロ超では60キロ超過、一般道など最高60キロ以下では50キロ超過が対象で、飲酒はアルコール濃度が血液1ミリリットルにつき1・0ミリグラム以上か、呼気1リットル中0・5ミリグラム以上とする案が示されていた。

 法務省は取りまとめを経て、来年通常国会での自動車運転処罰法改正案提出を目指す。

 現行法は高速度を「進行の制御が困難」、飲酒を「正常な運転が困難」と規定。数値基準が盛り込まれておらず、基準が曖昧との指摘があった。悪質な運転でも適用が見送られるケースがあり、被害者遺族らが明確化を求めていた。

 前回会合で示された「試案」では、最高時速100キロの高速道路で時速160キロ超、最高30キロの生活道路で80キロ超が対象となる。アルコールは呼気検査が困難な場合も想定し、相関関係のある血中濃度による基準を設定した。