光学機器の小型・軽量化に貢献、「CES 2026」で応用デバイスを初公開

京セラ株式会社(代表取締役社長:谷本 秀夫、以下:京セラ)は、メタサーフェス光制御技術を応用し、波長ごとに集光位置を制御可能な「メタレンズ」の開発に成功しましたのでお知らせします。本技術を適用することで、光学系の小型化と奥行き感のある映像表現を両立した「ウェアラブル空中ディスプレイ」の試作機を開発し、2026年1月6日(火)~9日(金)に米国ラスベガスで開催される「CES 2026」にて初公開予定です。

 

 

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京セラが開発したメタレンズ(右)

 

 

■京セラのメタレンズの特長

① デバイスの小型・軽量化に貢献

メタレンズとは、ガラス表面に光の波長より小さな柱状構造“メタアトム”を並べることで光を制御する、メタサーフェス技術を用いたレンズです。この構造により、従来は1cm以上の厚みが必要だった光学レンズを1mm以下の薄さで実現できます。

さらに、メタアトムの設計によって、単一のメタレンズに波長や位相制御など、複数の光学特性を統合することができるため、従来必要だった複数の光学部品を大幅に削減できます。

レンズの薄型化に加え、光学系全体の部品点数の削減により、デバイスの小型・軽量化に貢献します。

 

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② 奥行き感のある映像表現を実現

京セラ独自のメタアトム設計技術により、光の色に応じて結像位置が変化する特性を持ったメタレンズを開発しました。本メタレンズを用いることで、たとえば緑色の像は奥に、赤色の像は手前にといったように、色ごとに異なる高さに映像を浮かび上がらせることが可能です。

異なる位置に映像を作りだすことで、奥行き差を持つ立体的な空中映像が表示でき、ウェアラブルサイズの光学系でも自然な奥行き感を表現することが可能となりました。

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■ 「ウェアラブル空中ディスプレイ」について

今回開発したメタレンズと、当社が高精細空中ディスプレイの研究で培った空中での映像結像技術を組み合わせることで、身に着けられるサイズまで小型・軽量化し、さらに奥行き感のある映像表示を可能とした「ウェアラブル空中ディスプレイ」の試作機開発を実現しました。

 

■今後の可能性

現在は色ごとに結像位置が変化する空中映像を実現していますが、今後はさらに波長制御の自由度を高めることで、より多色で高精細な空中映像表示へと進化させることが可能です。

また、微細構造の設計を高度化することで、実写のような滑らかな立体映像を空中に投影する技術へと発展する見込みです。

メタレンズの薄型・軽量という特長は、VR/ARグラスの小型化・装着性の向上、カメラやプロジェクタなど光学機器の薄型化・省スペース化にも応用可能です。京セラは今後、独自のメタレンズ設計をさらに進化させ、コンシューマー向けデバイスから産業用途まで、幅広い分野における光学技術の高度化に貢献してまいります。