国内最大の女子刑務所「栃木刑務所」(栃木市惣社町)が2028年4月に廃止される見通しとなった。今から10年前の2015年、下野新聞は記者が塀の中を取材したルポ企画「更正へ…償いの道 栃木・女子刑務所の現状」(全6回)を報道しました。受刑者の高齢化や国際化、再犯の増加など多様化する問題に迫った記事を通じて、栃木刑務所の役割を振り返ります。
片言の日本語が、暖房の効く体育館に飛び交う。
「ワタシハ、マイニチサムイ。アサツライ」
「テンノウタンジョウビ、シゴトハ、ヤスミデス」
心の内を吐露するのは外国人受刑者。2014年12月、栃木刑務所で行われた日本語教育の一コマだ。初級クラスの14人は、日本語をほとんど話せない。
発表が終わると、七つのグループに分かれた。外国人2人に刑務官が1人。この日は「飛ぶ」「投げる」など動作の言葉を学ぶ。ある外国人は「ドウサ…アクション」とつぶやいた。
受刑者の4人に1人が外国人となった栃木刑務所。小國万里子(おぐにまりこ)首席矯正処遇官は「意思疎通ができずストレスが大きくなる。刑務所への不満にもつながる」と弊害を指摘する。
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