万引を繰り返し8度目の入所となった74歳の女性。「犯罪を甘く考えていた」=2015年2月3日午前(画像は一部加工しています)

 

 国内最大の女子刑務所「栃木刑務所」(栃木市惣社町)が2028年4月に廃止される見通しとなった。今から10年前の2015年、下野新聞は記者が塀の中を取材したルポ企画「更正へ…償いの道 栃木・女子刑務所の現状」(全6回)を報道しました。受刑者の高齢化や国際化、再犯の増加など多様化する問題に迫った記事を通じて、栃木刑務所の役割を振り返ります。

 手に刻まれた深いしわが、年齢を物語っていた。

 2014年12月、1年8カ月の刑期で栃木刑務所に収監された74歳の女性。後ろで束ねた髪には白いものが目立つ。

 「あたし、ずーっと万引なんです」

 「(栃木刑務所に)お世話になるのは8回目」

 殺風景な面会室に乾いた声が響いた。