来年の干支(えと)「午(うま)」のきびがら細工作りが、鹿沼市村井町の「きびがら工房」で最盛期を迎えている。

来年の干支「午」のきびがら細工を仕上げる増形さん=3日午後3時、鹿沼市村井町
来年の干支「午」のきびがら細工を仕上げる増形さん=3日午後3時、鹿沼市村井町

 江戸期から伝わる鹿沼箒(ぼうき)の職人で同工房の3代目増形早苗(ますがたさなえ)さん(48)が、鹿沼箒の原材料、市産ホウキキビの端材を活用。毎年約500個を制作している。

 細工は高さ11センチと8センチの2種類。3日は水で軟らかくしたきびがらと糸を編み込みながら、大小20個を手際よく仕上げていった。同市万町の直売所「朔日(さくじつ)や」などで販売する。

 増形さんの祖父で先代の故青木行雄(あおきゆきお)さんは戦時中、少年兵として騎兵隊の馬係を務めた。増形さんは「十二支の中でも祖父の午への思い入れは特に強かった。雄々しくも優しい表情に仕上げ、人々の平和を見守ってほしい」と願いを込めた。