【エルサレム共同】パレスチナ自治区ガザの保健当局は1日、治療のため域外への移送を待っていた約千人の傷病者が死亡したと発表した。昨年5月以降の人数としている。イスラエル軍が最南部ラファでの地上作戦に伴い、患者の域外移送に使うラファ検問所を閉鎖したことが影響したとみられる。検問所の閉鎖が被害拡大を招いていることが浮き彫りとなった。

 保健当局によると、約千人は国連などに登録され、治療のためガザ域外に移送される予定だった。イスラエルが医療用品を含む人道支援物資の搬入を厳しく制限するガザでは複雑な治療が難しい状況が続いている。

 担当者は人命を救うためには「ラファ検問所の再開が必要だ」と訴えた。国連も繰り返し検問所の再開を求めている。

 イスラエルとイスラム組織ハマスが10月に合意したガザ和平計画にはラファ検問所の再開も盛り込まれているが、イスラエルは別の検問所から十分な物資が入っているとし、閉鎖を続けている。