各地でクマ出没が相次ぐ中、11月23日には栃木県鹿沼市の民家庭先で、住民の男性が体長約1メートルのクマに襲われ、顔や上半身に深い傷を負う被害が起きた。栃木県では6~7月に那須塩原市内で発生した3件に続き、今年4件目の人身被害。冬が近づいても続くクマの脅威に、中山間地で暮らす住民は気をもんでいる。今年4月、那須町に引っ越した映画監督で女優の広田(ひろた)レオナさん(62)もその1人だ。自宅の庭にはクマが夜な夜な現れるという。広田さんに取材し、クマと対峙(たいじ)する那須での暮らしぶりを聞いた。

 広田さんは10年以上前、日光市で映画の制作を行っていた。「ロケハンで深い森や美しい川を訪れるようになり、すごく好きになった」と語るように、撮影を通じて県北地区の自然に魅せられたという。