公演初日の29日、役を演じきった出演者たち

公演初日の29日、多くの観客を前に歌声を披露する出演者たち

公演初日の29日、役を演じきった出演者たち 公演初日の29日、多くの観客を前に歌声を披露する出演者たち

 【栃木】市ゆかりの浮世絵師喜多川歌麿(きたがわうたまろ)の肉筆画「深川の雪」をテーマにした市民ミュージカル「流転、深川の雪」が29、30の両日、とちぎ岩下の新生姜(しょうが)ホールで初演された。11月に同作品が香港での競売に出品、落札されるニュースもあって市民らの関心は高く、会場には多くの観客が詰めかけた。

 歌麿と栃木のつながりを発信しようと、演劇やオペラに挑戦する市民グループ「とちぎ歌麿シアタープロジェクト」が主催。出演者約40人が稽古に励み、ミュージカルに初挑戦した。

 題材となった「深川の雪」は、市内で制作されたと考えられている歌麿の肉筆画3部作「雪月花」の一つ。明治初期にパリへ売られ、日本に戻るもその後行方不明となった史実を基に、作品がたどった時代や翻弄(ほんろう)された人々の人間模様を描いた。

 出演者は、明治の栃木町や戦前のパリ、戦後の銀座、平成の栃木など場面を変えながら、幕末の大火や第2次世界大戦、国外売却など幾度の危機を乗り越え、作品を愛し守り続けた先人たちの思いを情緒豊かに演じきった。

 鑑賞した壬生町丁、会社員福田絵梨香(ふくだえりか)さん(44)は「歌詞がわかりやすく日本に残った経緯がよくわかった。作品に描かれた女性たちが訴えかける最後のシーンが特に印象に残った」と満足した様子だった。