日本の都市鉱山技術の開発・普及拠点に
ポイント
・ 産総研とSUREコンソーシアムが推進母体となる新たな研究棟を開設
・ リサイクル企業への技術の普及、装置メーカーの技術向上、技術者の育成を集中的に実施
・ 高度な選別システムの社会実装とリサイクル現場の選別技術に関する課題解決を加速
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511219600-O1-N3vWgK0L】
概 要
国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)は、新たな研究棟「SURE技術普及推進センター」(以下「SURE PROST」という)を茨城県つくば市の産総研つくばセンター西事業所敷地内に開設します。SURE PROSTは、産総研が国家プロジェクトなどで開発してきた、水平リサイクルを促進するための廃製品の高度選別技術・装置を集約し、開発技術の普及・社会実装や新たな装置開発を目指す目的で設置されました。2014年に産総研が設立したSUREコンソーシアム(会長:大木達也 産総研 首席研究員)が推進母体となり、リサイクル工場の高度化・課題解決・新たな理論の啓蒙などを実施し、我が国のリサイクル産業が世界トップの技術力を獲得するための研究開発と技術支援活動を行います。本年3月末に建屋竣工後、施設内の整備を進め、2025年12月に開所する運びとなりました。
下線部は【用語解説】参照
SURE PROST~研究棟の概要~
所在地:茨城県つくば市小野川16-1(産総研 つくばセンター 西-4H棟・4I棟)
延べ床面積: 2350.1 m2
構造:地上2階、地下1階
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511219600-O2-UhJry55W】
SURE PROSTは4つのブロックから構成されます。
1.SURE PROST East Side
1階には各種選別試験が可能な大空間ラボと実験室、2階にはセミナーや各種イベントを開催できるSUREホールとホワイエ、開発成果展示室として都市鉱山ミュージアム等を擁し、SUREコンソーシアム会員企業向けの会合や学習の場、公開イベントの場として利用します。
2.SURE PROST West Side
現在、NEDOプロジェクトで開発中の廃製品・破砕物に対する各種分析装置を設置した、廃製品分析センターをはじめ、1階、2階に産総研の研究開発やSUREコンソーシアム会員企業との共同開発スペースがあります。
3.SURE PROST 地下
開発装置の予備品や各種廃製品を貯蔵する大型倉庫スペースとなります。
4.SURE ビジターセンター
PROSTとロータリーを挟んで向かい側にあるセミナー室。見学説明会や各種の講習会等に利用されます。
この他、SURE PROSTに隣接する既存の3拠点(CEDEST、RECST、LATEST)と連動して、戦略的都市鉱山研究拠点(SURE TranSortics Village)を構成します。国家プロジェクトによる新規技術開発から、開発技術の普及、技術者・研究者教育まで、日本の都市鉱山技術の開発・普及拠点として、総合的な活動を行います。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511219600-O3-0o6Rb0bL】
SURE PROST~開設の目的~
これまで産総研では、多くのリサイクル選別装置を開発し、特許実用化を果たしており、現在もNEDOプロジェクトなどで開発を続けています。通常の産業技術では、その後、民間主導の開発・導入に移行しますが、リサイクル業界では、メーカー(リサイクル選別装置を供給する企業)、ユーザー(リサイクル選別装置を用いてリサイクルを営む企業)共に、新技術をリサイクル工場に取り込むための補間技術、システム化技術が成熟していないため、社会実装の拡大が進んでいません。また、開発当時の廃製品は数年すると内容が変わり、これに適合させるための応用利用技術を民間に定着させることも必要です。SURE PROSTでは、開発したさまざまな新技術を普及させるため、産総研がSUREコンソーシアム会員企業とともに、時代に適合させたシステム化、カスタマイズ、利用法の指導などを行い、広くリサイクル業界への社会実装を促すことを目指しています。さらに、既存装置の活用法や選別結果の評価法など、未確立の技術を体系化し、メーカー・ユーザーの技術者、国研・大学の研究者への教育を通じて、我が国の都市鉱山技術の底上げを図ります。今後、SURE PROSTを中心とする戦略的都市鉱山研究拠点では、SUREコンソーシアム会員企業とともに、我が国の産業が世界トップのリサイクル技術を獲得するための活動を行います。
SURE PROST~主な施設~
SURE PROSTには最大120名収容のSUREホール、最大30名収容できるビジターセンターと、多目的のイベントが開催できるホワイエ、8名~14名収容の会議室があり、各種セミナーや講義、連携協議などに利用します。大空間ラボと併設する実験室には、産総研が開発・特許実用化した製品を中心に、デモ試験が可能な30機の破砕・選別機を設置しています。隣接する従来拠点SURE LATEST(PROST別館)の設置機と合わせ、国内外67機(うち30機は産総研開発装置)の破砕・選別機を用いた試験が可能です。廃製品分析センターには、現在、NEDOプロジェクトで開発中の、廃製品に対する構造データや破砕物に対する単体分離データを自動で分析できる、分析装置群が設置してあります。開発過程ですが、一部の情報は既に分析可能な状態にあり、将来的には、大空間ラボ等における破砕・選別試験をサポートする分析センターとして機能させる予定です。都市鉱山ミュージアムは、リサイクル技術や産総研の研究経緯を学習、理解するための常設展示室です。産総研における選別研究の歴史、都市鉱山開発における選別技術の課題、産総研の研究開発成果を展示しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511219600-O4-E3pnvg58】
SURE PROST~運営組織と活動~
SUREコンソーシアム内に設置した「SUREカウンシル」と「SUREアカデミー」が推進母体となり、SURE PROSTの施設を活用して、SUREコンソーシアム会員企業を対象に、主として以下の目的のための活動を行います。
■ SUREカウンシル(産総研および一部の会員企業で構成されるSURE PROSTイベントの企画・主催組織)
・産総研開発装置の解説、既存装置と組み合わせたシステム化、多様な対象物への応用利用など、デモ試験を実
施して、リサイクル企業の技術理解と装置導入・普及を促進。
・広く破砕・選別技術の機能や特徴を解説。個別の課題や高度化に対する解決策をリサイクル企業へ提示。
・高純度再生資源を生み出す都市鉱山技術の開発・社会実装に向けた、導入企業に対する総合的な技術支援。
■ SUREアカデミー(産総研が主催する技術者・研究者育成組織)
・各種の選別技術講座など、会員である企業技術者や、国研・大学研究者向けの教育カリキュラムの実施。
・受講生の理解度を測る試験を実施。合格者に各種「マイスター」称号を付与。
・リサイクルのための新たな選別理論を開発・提唱。我が国のリサイクル産業の基礎力を底上げ。
以上のように、リサイクル企業への技術の普及、装置メーカーの技術向上、技術者の育成を集中的に行う拠点として機能させ、国家プロジェクト等で開発してきた先端技術、これを利用した高度な選別システムの社会実装と、リサイクル現場の選別技術の課題解決を加速させます。
用語解説
水平リサイクル
廃製品から回収された再生原料から、天然資源から生産される素材と同等の素材にリサイクルすること。
高度選別技術
従来は選別によって得られる再生原料の純度が不十分なため、低級利用(カスケードリサイクル)が中心だったが、水平リサイクルが可能となる高純度な再生原料にするための選別技術。
SUREコンソーシアム
産総研のコンソーシアム制度により2014年に設立した、リサイクル企業、リサイクル装置メーカーをはじめ、素材産業、製品メーカー、商社、業界団体などにより構成される組織。主としてリサイクル工場の技術革新による、資源循環の促進と、都市鉱山市場の拡大を目指している。
プレスリリースURL
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2025/pr20251126/pr20251126.html
資源循環高度化のための技術普及推進拠点「SURE PROST」を開設
国立研究開発法人産業技術総合研究所
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