米軍による原爆投下から80年がたった広島市で、惨禍の記憶を後世に伝えるため被爆者本人に代わり体験を語る「被爆体験伝承者」の取り組みが続けられてきた。富山県の女性は、面識がなかった在日韓国人男性=2022年に死去=からバトンを託され、外国人被爆者から見た戦争の実態を伝えている。「他者への差別が憎しみと争いを生み、戦争につながる」という男性の思いを広めようと、県内外を回る。
伝承者は語り継ぎたいと望む被爆者とやりとりを重ね、聞き取った内容を自分の中に落とし込んでいく。富山県朝日町の佐野環さん(60)は93歳で亡くなった李鐘根さんの体験を語り継ぐ。
「突然辺りが真っ黄色になり慌てて地面に伏せ、目を開けると一転、真っ暗闇でした」。今年8月、広島市の原爆資料館に佐野さんの姿があった。写真や絵を交え、約20人の聴衆を前に李さんの体験を代弁した。
江川政市と日本名を名乗っていた李さん。16歳の時、通勤中に爆心地から約1・8キロ地点で被爆し、顔や首にやけどを負った。
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