プロジェクトの第1段として制作した御樹印

智賀都神社の参道に立つ「夫婦けやき」(スマートフォンのパノラマ機能で撮影)

プロジェクトの第1段として制作した御樹印 智賀都神社の参道に立つ「夫婦けやき」(スマートフォンのパノラマ機能で撮影)

 宇都宮市徳次郎町の智賀都(ちかつ)神社に立つ、樹齢約800年の2本の大ケヤキを「日本一の夫婦(めおと)けやき」としてPRしようと、住民たちが地域ブランド化プロジェクトに取り組んでいる。第1弾として富屋特別支援学校と連携し、大ケヤキを訪れたことを記念する「御樹印(ごじゅいん)」などを制作。長寿、健康、縁結びにちなんだ宇都宮の新たな“開運スポット”として誘客を図りたい考えだ。

 同神社は日光街道沿いにあり、奈良時代の778年に日光二荒山神社の祭神を分霊して迎え、創建されたと伝わる。参道に立つ大ケヤキは県指定天然記念物で2本とも樹高約40メートル、目通り周囲約10メートル。この古さの樹齢で2本並ぶのは全国的にも珍しいという。

 プロジェクトは市民をはじめ、同街道を通って日光に向かう観光客らに大ケヤキの歴史や希少性を知ってもらおうと今夏、富屋地区まちづくり連絡協議会が発案し、始動した。

 神社境内に「日本一の夫婦けやき」の旗を掲げ、同支援学校の生徒が牛乳パックですいた再生紙で御樹印を手作りしたり、創作民話のアニメを制作したり。大ケヤキの魅力を“カタチ”にしてプロモーションを展開している。

 大ケヤキの歴史を伝える企画展も今月末まで富屋地区市民センターで開いており、大ケヤキが写る戦前の写真など約50点を並べている。愛媛県大洲市の宇都宮神社に伝わる室町時代の絵巻に登場する、智賀都神社と大ケヤキの絵の複製も展示。折れた枝の輪切りからは数百年にわたる年輪が確認できる。

 27日午後6時半から同センターで講演会も予定しており、市文化財調査員で同プロジェクトアドバイザーの池田貞夫(いけださだお)さん(77)=同町=が講演する。池田さんは「巨木のパワーを体感してもらい、最強の運勢を切り開いてほしい」と呼びかけている。(問)同協議会(富屋地区市民センター内)028・665・1663。