シンガポール向けに先行投入するアルミ缶日本酒「SEN」

 北関酒造(栃木市田村町、鈴木誠人(すずきまこと)社長)は、アルミ缶入り日本酒の生産に乗り出した。東南アジアで未開拓のシンガポール向けに近く先行投入し、本格的な販路開拓に取り組む。

 同社は県内で最大規模の日本酒生産量を誇る。代表銘柄「北冠」をはじめ、普通酒の「鮮」、パック酒「北酒場」「鬼怒 鬼ころし」やカップ酒などを製造販売しており、輸出は生産量の約1割を占める。東南アジアではベトナムやタイなどへ輸出している。

 シンガポールでは高価格帯の瓶入り日本酒が出回っており、高級レストランで特別な機会に飲む酒に位置付けられている。このため同社は日本酒を飲んだことのない若者らをターゲットに、気軽に飲んでもらえるアルミ缶商品(180ミリリットル)を投入する。

 日本酒は、英国で開かれた世界最大級のワイン品評会「インターナショナルワインチャレンジ(IWC)2025」サケ部門で、手頃な価格ながら高く評価された「グレートバリューサケ」受賞の「鮮」を「SEN」として商品化。この秋、シンガポールの酒イベントに出展したところ、好評だったという。

 国内向けにも早ければ来年1月から販売を始める予定。