原発立地自治体などの協議会会合で発言する佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長=10日、東京都千代田区

 原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定で、第1段階の文献調査が北海道寿都町と神恵内村で始まり、17日で5年となった。他に調査が進むのは佐賀県玄海町だけで、応じる自治体は増えていない。首長が手を挙げ、調査を受け入れる選定方法の見直しを求める声も上がる。政府は原発の最大限活用を掲げて再稼働や建設を進める方針だが、核のごみ最終処分への道筋は依然見通せない。

 事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は昨年11月、寿都町全域と神恵内村の一部を第2段階の概要調査の候補地とする結果を公表した。だが知事か首長が反対すると次の調査には進めない。鈴木直道知事は反対の姿勢を堅持し、寿都町では概要調査の賛否を問う住民投票も控え、先行きは不透明だ。

 調査が進む自治体では選定方法を巡り、不満が高まっている。今月10日に東京都内で開かれた原発立地自治体などでつくる協議会の会合で、神恵内村の高橋昌幸村長は「首長にとって政治生命を懸けざるを得ない問題で、手を挙げるのは難しい」と指摘した。