新宿東口広場の馬水槽=東京都新宿区

 夜の伊勢丹新宿店=東京都新宿区

 新宿3丁目交差点角にある「新宿元標」の道標=東京都新宿区

 紀伊国屋書店新宿本店=東京都新宿区

 夕刻の新宿繁華街=東京都新宿区

 JR新宿駅の南口=東京都新宿区

新宿周辺

 新宿東口広場の馬水槽=東京都新宿区  夜の伊勢丹新宿店=東京都新宿区  新宿3丁目交差点角にある「新宿元標」の道標=東京都新宿区  紀伊国屋書店新宿本店=東京都新宿区  夕刻の新宿繁華街=東京都新宿区  JR新宿駅の南口=東京都新宿区 新宿周辺

 JR新宿駅(東京都新宿区)は今年、開業140周年を迎えた。街並みは変わり続けるが、長く親しまれてきたランドマークや名店も多い。歴史を振り返りながら、活気あふれる街を歩いた。

 「日本鉄道品川線」の駅として1885年に開業した新宿駅。その後私鉄、地下鉄の駅が次々に集まり、乗降客数世界一の巨大なターミナルに発展した。線路の西側から「大ガード」越しに見る繁華街は、新宿を象徴する景色の一つだ。

 訪日客が続々と街に繰り出していく。観光案内所によると、新宿御苑やレトロな飲み屋街「思い出横丁」、デパートの伊勢丹新宿店や新宿高島屋などが人気という。

 伊勢丹のある新宿通りには老舗が並ぶ。駅を背にして通りに入ると、高級果実やフルーツパーラーで名高い新宿高野が右側に見える。新宿に店を構えたのは、JR駅の開業と同じ年だった。

 その少し先に、1909年から現在地に本店を置く新宿中村屋。パンや菓子、「純印度式カリー」などを扱うだけでなく、芸術家を支援したことでも知られる。彫刻家の荻原碌山ら縁の深い人々の作品を、ビル3階の「中村屋サロン美術館」で鑑賞できる。

 道の反対側に立つのは27年創業の紀伊国屋書店。劇場も備えた文化の発信地で、待ち合わせの名所でもある入り口前にはこの日も数人がたたずんでいた。

 新宿3丁目の交差点まで行くと、あちこちで観光客がスマートフォンやカメラをかざしていた。伊勢丹の壮麗な外観や横断歩道を埋め尽くす人の波が興味深い様子だ。

 交差点の角で「新宿元標 ここが追分」と書かれた道標を見た。江戸時代には青梅街道と甲州街道の分岐点で、生活物資を運ぶ人々が行き交ったと説明にある。今に続く新宿のにぎわいの原点に立つ思いがした。

 【メモ】JR駅東口の広場には、明治時代に英国から東京市へ贈られた「馬水槽」が保存されている。馬などに水を飲ませるために使われた。