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内覧会で作品を鑑賞する関係者=11日午後3時50分、宇都宮美術館

内覧会で作品を鑑賞する関係者=11日午後3時50分、宇都宮美術館

 12日に宇都宮美術館で開幕する企画展「ライシテからみるフランス美術-信仰の光と理性の光」(宇都宮美術館、下野新聞社主催)の内覧会が11日、同館で開かれた。関係者ら約100人が訪れ、フランス共和国の根幹を成す概念の一つ「ライシテ」と美術の関わりについて理解を深めた。12月21日まで。

 ライシテは、脱宗教や政教分離、宗教的中立性などと訳され、フランスの政治と宗教の独特な関係性を示している。近年では同国の標語(自由・平等・友愛)にライシテを加える動きもあるという。

 企画展はフランス革命から20世紀半ばまでの作品に焦点を当て、社会や信仰の変遷とともに美術の変容を探る。会場にはジャン=フランソワ・ミレーの「無原罪の聖母」やモーリス・ユトリロの「旗で飾られたモンマルトルのサクレ=クール寺院」など約140点の絵画や像、リトグラフなどが並ぶ。

 担当する同館の藤原啓(ふじわらけい)学芸員は「ライシテは聞き慣れないと思うが、歴史的な出来事などいろんな引っかかりがあるものなので、ハードルを下げて見にきてほしい」と話す。

 午前9時半~午後5時。一般1200円、大学・高校生千円、小中学生800円。(問)同館028・643・0100。