野球独立リーグの日本一を決めるグランドチャンピオンシップ(GCS)最終日は28日、真岡ハイトラ運動公園市民球場で決勝が行われ、開催地枠で出場したBCリーグの栃木ゴールデンブレーブス(GB)は四国アイランドリーグ王者の愛媛に2-8で敗れ、初優勝を逃した。

栃木GBは一回、2死一、三塁で一走・三方陽登(みかたはると)が盗塁を仕掛ける間に三走・桃次郎(ももじろう)が本塁を陥れて先制。しかし三回の守備で、無死二、三塁から3番手の中村拓馬(なかむらたくま)が2点適時打を浴びて逆転を許した。
序盤から小刻みな継投策に出たが五回に2点、七回には3点を失った。打線は七回に相手の暴投で1点を返すのがやっとだった。
■快進撃見せるも実力差痛感
マウンド上で胴上げをする愛媛ナインを選手たちはぼうぜんと見つめた。栃木GBは2年連続で決勝に進んだが、今年も頂点には届かず。「先制後に流れをつくりたかった。昨日までの戦い方ができなかった」。山下徳人(やましたのりひと)監督は肩を落とした。
準決勝まで奮起していた打線がこの日は低調だった。一回は俊足の桃次郎(ももじろう)を生かしたサインプレーで先制するも、その後が続かない。六回を終え、安打はわずか1。先制までは良かったが、最後まで主導権をつかめなかった。
1-5の七回は初の連打で無死一、二塁としたが、4番三方陽登(みかたはると)が二ゴロ併殺。反撃の機運は一気にしぼんだ。三方は「直球が強烈で圧倒された。期待に応えられなかった」と言葉少なだった。

7人の継投は11安打を許し、8失点。連投の疲れもあってか四球や暴投で自滅する場面も。2番手の堀岡俊人(ほりおかしゅんと)は「中継ぎの経験は少ないが言い訳はできない。実力が足りなかった」と優勝チームとの差を痛感した。
昨季に続き、GCSで快進撃を見せた栃木GBだが、地元での日本一を逃した監督と選手の目には涙が浮かんだ。「来年取るぞ日本一」。試合後のスタンドから送られた大きなコールは、ナインの心に届いたはずだ。
■リードオフマンとして奮起
リードオフマンの桃次郎(ももじろう)が持ち味の俊足とチーム唯一の複数安打で存在感を示した。

一回、二塁打でさっそくチャンスをつくる。その後2死一、三塁で重盗を仕掛けて先制のホームを踏み「練習を積んできた形。自信を持ってスタートを切れた」と振り返った。
白鴎大から今季加入し、リーグトップの42盗塁を記録した。「対策を取られる中で結果を出すのが難しかった。勉強になったシーズンだった」と充実した表情で話した。
栃木GB・小倉由靖(おぐらよしのぶ)主将(決勝では出番はなかったが今季チームを引っ張り)
「日本一になってうれし涙を流したかった。この結果は悔しいが、チーム一丸となって戦えた」
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