高根沢町宝積寺の県民ゴルフ場(愛称・とちまるGC)が、誰もが楽しめる安価なファミリーゴルフ場のイメージから近年、アスリートも挑戦する本格派に変貌しつつある。

 県内のプロが多く出場する県プロゴルフ選手権は2021年から5年連続、今年もとちまるGCが会場となった。県内4大アマチュア大会の一つ、県社会人アマチュア選手権も20年から4年連続開催した。県知事盃争奪ゴルフ競技大会ジュニアの部も3年連続で今年も開催された。

大会開催を記念した県民ゴルフ場(とちまるGC)の看板
大会開催を記念した県民ゴルフ場(とちまるGC)の看板

 1992年10月に開場し、オープンから33年を迎える。年間約3万5千人前後のプレーヤーが、低料金でプレーを楽しんでいる。パブリックコースとして定着し、今年7月12日にはついに利用者100万人を達成した。

フラットなコースが特徴の県民ゴルフ場(とちまるGC)
フラットなコースが特徴の県民ゴルフ場(とちまるGC)

 今瀬瑞比古(いませみずひこ)支配人をはじめ精鋭スタッフが今夏のような酷暑の中も、コース管理に汗を流してきた。その成果もあって、フェアウエーの芝付きも申し分なく、小さいグリーンもプロの試合に十分耐えられる。タカ坊も何度もプレーさせてもらったが、食事もおいしい。グリーンも微妙なアンジュレーションがあり、競技ゴルファーも楽しめるコースとして高く評価したい。

フラットなコースが特徴の県民ゴルフ場(とちまるGC)
フラットなコースが特徴の県民ゴルフ場(とちまるGC)

 近年まで公式戦開催などとは縁遠かった。そんな中、県ゴルフ連盟錬成会主催の第38回県社会人アマチュア選手権を2020年8月、初めて開催。ティーグラウンドの最後方に新たにティーを設定し、距離を最大と思われる6670ヤード(パー72)まで延ばした。県内のトップアマ136人が出場したにもかかわらず、アンダーパーはわずか5人にとどまった。

県民ゴルフ場(とちまるGC)の「in(イン)」「out(アウト)」の案内板
県民ゴルフ場(とちまるGC)の「in(イン)」「out(アウト)」の案内板

 21年には第27回県プロゴルフ選手権を初めて開催した。県プロ会(星清(ほしきよし)会長)が主催し、プロ76人、アマ87人が挑戦した。距離は6644ヤードだったが通常パー5の2ホールをパー4にし、パー70に設定。メインのプロレギュラーの部でもアンダーパーをマークしたのは、わずか12人だった。

 星会長は「土曜日開催が可能で、低料金で受け入れてくれるのは魅力。プロの大会も十分可能」と、プロ大会開催に太鼓判を押す。同選手権は5年連続で開催しており「これからもお願いする予定。グリーンを固めたり、ラフを伸ばしたりしてより難易度を高めたい」という。

県民ゴルフ場(とちまるGC)のクラブハウス
県民ゴルフ場(とちまるGC)のクラブハウス

 今瀬支配人は「整備など大会前には気を使うが、県民ゴルフ場でも競技が開催できるということも定着してきた」と自信をのぞかせる。「県内のゴルフ場の応援などもあり、100万人達成ができたことに感謝申し上げたい。設備などは名門ゴルフ場に勝てない。勝負できるのはコスパ。低料金での満足度。これからもビギナーはもちろん、アスリートにも楽しめるコースを目指したい」