ステージで歌う椎名林檎=東京都千代田区(太田好治氏撮影)

 気鋭の「日本で一番多忙なドラマー」石若駿率いるスペシャルバンドが椎名林檎、アイナ・ジ・エンドら豪華ゲストとセッションを行う一夜限りのライブ「JAZZ NOT ONLY JAZZ ☆(ローマ数字2)」が東京都内で開かれ、林檎のあでやかな歌声が夜を彩った。

 トップを飾ったアイナ・ジ・エンドは、黒いドレスに身を包んでヒット中の「革命道中」を披露。石若の華やかかつダイナミックな手さばきで原曲をさらに加速させたようなドラムが響く中、ハスキーな声で力強く歌い、観客にコールを求めて盛り上げた。

 アイナが続けてハイヒールを脱いで踊りながら「私の真心」を歌うと、作詞作曲を担当した岡村靖幸も登場。歌声の掛け合いが濃厚な世界観を作り出した。岡村は「ハレンチ」で「カモン!」とあおり、ダンスとファンキーなボーカルで会場を沸かせた。

 中村佳穂が音と戯れるように「さよならクレール」を即興風に歌い、KID FRESINOは流れるようなラップで観客を魅了した。

 近年のライブで石若をバックバンドに迎えている椎名林檎は、着物姿でステージに立ち「能動的三分間」や「丸ノ内サディスティック」を立て続けに歌唱。時にクールに、時に色っぽく歌声をひずませ、扇子を片手に客席に流し目を送った。

 米ジャズピアニストのロバート・グラスパーも登場し、最後は出演者勢ぞろいで林檎の「長く短い祭」を演奏し特別な夜の幕が閉じた。

 公演の様子は11月16日にWOWOWで放送され、有料オンライン配信も同月23日から始まる。