今年4月施行の改正入管難民法や2018年末に発効した環太平洋連携協定(TPP)に対応するため、県が新年度、福田富一(ふくだとみかず)知事をトップとする「国際戦略推進本部」を庁内に設置する方針を固めたことが3日、関係者への取材で分かった。労働者の受け入れや経済交流、観光誘客など多岐にわたる国際課題や情報を集約し、戦略を立案、実行する。産業労働観光部国際課に、推進本部の事務局機能を担う部署を新たに置く。

 国際戦略推進本部は部局長級で組織し、県としての総合的な国際戦略を描き展開する司令塔の役割を果たす。国際課の「企画・協力担当」を新年度に「国際戦略推進担当」へ名称変更し、推進本部の事務局とする。これまで縦割りだった外国人受け入れや海外交流、海外展開などに関する情報を同担当に集約し、調整機能を強化する。

 同部観光交流課の「海外誘客担当」は「インバウンド推進担当」に変更する。

 県内在住の外国人は約3万9千人に上り、30年前に比べ9倍以上に増えた。改正入管難民法が施行されれば、県内でも人手不足を背景に外国人がさらに増えるとみられる。多文化共生社会の実現には、定住外国人の支援や受け入れ側の理解促進が一層重要になる。

 また、人口減少で国内マーケットが縮小する中、県は近年、中小企業の海外展開支援や県産農産物の輸出、訪日外国人誘客などを強化している。TPP発効による本県全体への波及効果は1240億円、2月1日に発効される欧州連合との経済連携協定(EPA)では827億円と試算しており、県は海外戦略の一層の強化が必要と判断した。

 18年7月には香港で本県野菜などの輸入規制が緩和され、今後は20年の東京五輪を直前に控える。新設される推進本部は引き続き、香港や東南アジア諸国への輸出促進、インバウンドに注力するとみられる。