コメ価格の高止まりが続く中、県内のスーパーで2025年産新米の取り扱いが始まった。宇都宮市元今泉4丁目のフードオアシスオータニ宇都宮駅東店では11日、県産コシヒカリが5キロ税抜き4680円で並び、来店客はじっくりと品定めした。

販売価格は24年産米より600円高く、高騰前に比べ2倍以上になった。副店長の山口知宏(やまぐちともひろ)さん(50)は「今後の流通量が不透明で輸送費の上昇などもある中、少しでも手に取ってもらえるよう考え抜いて価格設定した」と明かす。
同店は安価な備蓄米や輸入米も扱うが、銘柄米の売れ行きは落ちないという。山口さんは「幅広いニーズに応える品ぞろえを展開したい」と意気込む。
来店した宇都宮市、無職戸塚健夫(とづかたけお)さん(82)は「5キロ2千円くらいのイメージが抜けない。せめて3千円くらいならありがたい」。同市、看護師女性(59)は「今までが安過ぎた。国産米を作り続けるためにも、値上がりはやむを得ないのでは」と話した。

価格上昇歓迎も…農家の心境は複雑
2025年産の新米の集荷競争が県内で激しさを増している。JA全農とちぎは11日までに、県内JAを通じて農家に前払いするコシヒカリの概算金で3千円の追加払いを決め、60キロ当たり3万1千円と設定した。一方、JA系統以外ではそれを上回る3万円台前半から半ばを提示する業者もおり、関係者は「バブルと言えるほど過熱している」と危惧する。農家は価格上昇を歓迎しつつも「今後、大幅に下落するなど、価格が不安定になる恐れもあるのでは」と複雑な心境を吐露した。
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